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いつか帰るところ

   
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DJ仏陀再誕のスタンダード・アナライズVol.1
真面目か!


1,スタンダードトップメタデッキ解説
2,デッキ毎の相性差
3,現在のメタゲーム
4,メタゲームの外のデッキ達





以下の文章はDJ仏陀再誕がかんがえる2014年3月6日(木)のスタンダード環境です。
ここ二週間くらい全然全勝経験してないしMTG歴一年と3ヶ月のレベル21スペルシェイパーなのであんまり鵜呑みにしないでください。
「こうじゃねえよバカか」つってなんか変なこと言ってたらなんでも教えてください。


1,スタンダードトップメタデッキ解説

現時点のhappymtgのTOPにある使用率ランキングに見えるものだけでもちゃんと書きます。



■黒単信心
マジックオンラインスタンダードデイリー2/22、上から二つが黒単信心のレシピ
《思考囲い》と《英雄の破滅》の二本を柱とした大量の万能除去による対応力の高さと、信心のシナジーを活かしたクリーチャーのぶん回しパターンを搭載したいわゆる「丸く強い」デッキ。
単体で使っても弱かった《群れネズミ》を《変わり谷》によってサポートし、《地下世界の人脈》で引いた手札をコストにネズミを展開、盤面を一気に制圧してライフを削りに行くのが必勝パターン。
ネズミが展開できない場合は人脈と各種クリーチャー&除去でグダらせて、高まった信心から《アスフォデルの灰色商人》を複数枚叩きつける、というのも圧倒的に強い動き。
青系・黒系に強い《夜帳の死霊》と、緑系・白系に強い《生命散らしのゾンビ》の表裏一体の関係も強さの軸になっている。

・神々の軍勢で手に入れたもの
《胆汁病》《悲哀まみれ》
従来の黒単信心は青白コントロールの《至高の評決》のような、1:2交換によるカードアドバンテージの取得が基本的にできないため、《地下世界の人脈》でライフを対価に相手よりも多くカードを引く以外ではカードアドバンテージを得られなかった。
そんな中現れた《胆汁病》は、インスタント2マナで1:2交換が出来る(可能性がある)カードとして、非常に重宝されている。
ミラーマッチでも都合3体までの《群れネズミ》を除去できるため、環境に蔓延する黒単同士の対決を制するためにも重要なカードとなった。
《悲哀まみれ》はたいていのマッチアップでは胆汁病の下位互換だが、大会上位には食い込まないものの大体どの店舗・会場にも一人は存在する「白単ウィニー」や今で言う「ラクドスビート」のような、序盤からクリーチャーをガンガン並べてくるデッキが勝ち上がってくるのを抑止している。
PWC※くらいの手練が大量に集まる大会の黒単は《悲哀まみれ》をサイドから外していることも少なくないが、店舗大会やFNMではまだまだサイドに入れておきたいカードとなるだろう。

※PWC…プレインズウォーカーカップ。国内最大級の個人主催トーナメント。土日になんかやってるらしい(最近知った)

・ここが弱い
信心のシナジーに頼っている分、個々のカードパワーがそこまで高くないこと。P/T差や生物の絶対数では勝負にならないので、的確に除去が引けず生物ばかりの手札になったら緑赤ビートには必ず負けるし、逆に生物を引かず除去ばかりの手札になっても、全方向に対応できるのは《英雄の破滅》だけなので、手札の《胆汁病》でタフネス4が殺せない!《究極の価格》でマルチカラーのあいつが殺せない!で負けるパターンがそれなりにある。
一方的に勝つぶん回しパターンに入ったとしても、勝った瞬間には手札が0〜1枚の事が多く、たいていのマッチでは消耗戦になりがち。
その中盤以降の息切れの防止策を《地下世界の人脈》に頼り切っているため、エンチャントに触ることができ、こちらよりも質・量ともに上回る生物を搭載しているエスパーミッドレンジには全面的に不利。
ライフを糧に追加のドローを得ているので、直にライフを狙うようなバーンデッキにも弱い…と見せかけて、単色で構築してるがゆえに二色デッキによくあるショックランドをアンタップで出したときのダメージがなく、《アスフォデルの灰色商人》さえ出ればとりあえずのライフ回復ができるので、勝率的には割と五分くらい。
(《頭蓋割り》を合わせられないようにハンデスを打つタイミングに気を使う等の戦術論はあるものの、それはまた別の機会に)

・派生デッキ
大本のクリーチャーはそのままに、除去の種類を変えたタッチ青、タッチ白、タッチ赤、タッチ緑が存在する。
特に白を濃くタッチした、happymtgで「白黒コントロール」として登録されているデッキは、メインから対黒単用最終兵器《ヴィズコーパの血男爵》が搭載されていて、ミラーマッチにチョ〜有利な構成を目指したもの。happymtgのスタンダードデッキランキング6位にもアーキタイプとして取り上げられていて、グランプリTOP8の実績もある。
基本的に黒単の土地構成は、デッキのスペルが全て単色でも4〜6枚の占術ランドを取ることが多い。
理由は序盤1〜2マナで唱えるカードが《思考囲い》しかないこと、中盤以降少しでも息切れしないため、そして《夜帳の死霊》で追放した相手のカードを唱えるため。そのため元々細かいタッチカラーはしやすく、入れられるカードの種類は多い(でもたいていはデッキにそれを入れる空きスロットがない)。


■赤緑(グルール)ビート
イゼ速の記事、「【MTG】SCGオープンinセントルイス - スタンダード優勝はグルールモンスター、TOP8にモンスターが5人 レガシー優勝は赤単ペインター・グラインドストーンに
現状トップメタに存在する唯一の赤系ステロイドデッキ。
《エルフの神秘家》《森の女人像》からのマナ加速で《世界を喰らう者、ポルクラノス》と《嵐の息吹のドラゴン》を最速で怪物化する動きが骨子となり「グルールモンスター」の名で呼ばれる。
軍勢発売前は青単の隆盛によって上位に勝ち残る事の少なかったアーキタイプだったが、神々の軍勢によって強力なアドバンテージを生み出すエンジンを手に入れた。
ズバリ《ドムリ・ラーデ》と《クルフィックスの預言者》である。
《クルフィックスの預言者》でデッキトップの土地を場に出し、デッキトップがクリーチャーのときに《ドムリ・ラーデ》を起動して手札に加えるという動きは、1ターンで最大2枚のハンドアドバンテージを作り出し、ビートダウンとは思えないほどの展開の安定化に繋がっている。
更に《歓楽者ゼナゴス》を採用することで、コントロールにとって対応しづらいプレインズウォーカーでありながら追加のクリーチャーを補充し出力を落とさない構成、プラス起動でのマナブーストも戦略としてワンチャンス。
最終的には潤沢なマナと手札から《ゴーア族の暴行者》の湧血と《加護のサテュロス》の瞬速授与によって一気に押し込むか、《ミジウムの迫撃砲》の超過によりガラ空きになった相手の場にクリーチャーの群れを叩き込む、ド派手なアクションが魅力のデッキ。

個人的には人によってサイドボードのレシピが全然違う所も強さの一端を担っていると思う。
元々4積みだけで構成されるレシピではないので《ミジウムの迫撃砲》や《クルフィックスの狩猟者》を含めた各種マナクリなどが3枚や2枚などで人によってかなり異なっているのを前提として、
青単系、青白コントロール系に無条件で強い《霧裂きのハイドラ》は固定だとしても、
エンチャント・アーティファクト対策に《霊気のほころび》《破壊的な享楽》(人によって《都市国家の破壊者》)、
おそらくコントロール対策っぽい《自由なる者ルーリク・サー》、飛行対策の《垂直落下》、
他にも《魔女跡追い》《精神灼き》《ナイレアの信奉者》《紅蓮の達人チャンドラ》《パーフォロスの槌》《獣の統率者、ガラク》《肉体+血流》、
マナブーからの《原始の報償》、なんかわかんないけど《ショック》《漸増爆弾》、
ミラーを意識した《狩人狩り》、青単にとにかくぶっ刺さるっぽい《グルールの魔除け》等。
おそらく大会に対するメタ読みによって多種多様な対応幅が存在するので、相手をする側は一概にこう!って戦術を決めつけた結果想定してないカードで普通に負けるみたいな事がありそうで割と怖い。

・神々の軍勢で手に入れたもの
《歓楽の神、ゼナゴス》
爆発力に更に磨きをかけたスーパーカード。複数枚引いて腐るシチュエーションが怖いので採用枚数こそ抑えめだが、出されたら多分涙出るほど強い。《歓楽の神、ゼナゴス》がファーストアクションだとしても「次のターンから毎ターン速攻で殴るけどインスタント除去の用意はいい?」って感じ。
《ゼナゴスの狂信者》を採用し、マナ域を下げて速度を上げたタイプも存在するらしいが、貢納されないと同じマナ域の《クルフィックスの狩猟者》に普通に受け止められるしミラーでは単純に弱そう。

・ここが弱い
ぶっちゃけよくわかんねえー。自分で使ってないし相手もしたことない!(おれが全勝卓に残れないから)仲間内の緑使いは全員シミック派だし…
土地枚数23でマナクリに頼る構成は事故るとき多いに事故りそう。ただでさえ2枚3枚が多いレシピだし。《クルフィックスの狩猟者》を丁寧に除去されて《ドムリ・ラーデ》が不発に終わる自体が続くと多分悲しいのかな。
黒単だと狩猟者を除去しつつ《生命散らしのゾンビ》で出る前のポルクラノスをハンドから抜いて、《アスフォデルの灰色商人》までキッチリ回しきれればあるいは。
青単だと出てきたポルクラノス(怪物化されると意味ない)やドラゴンを《潮縛りの魔導士》で寝かしてテンポを取りつつ、《クルフィックスの狩猟者》を《家畜化》で奪えるかどうかみたいなマッチアップになることだけはわかる。あと《霧裂きのハイドラ》が刺さるかどうか。

・派生デッキ
黒をタッチした「ジャンドモンスター」が存在する。《狂気の種父》などを対コントロール用に搭載していた、と思う。多分。
色を更に散らす分爆発力がある程度落ちてミラーには弱くなるんじゃないかと予想。《殺戮遊戯》《残虐の達人》《死の国のケルベロス》などのシークレットテクがあるのかもしれない。


■青単信心
PWC - 第400回in川崎/GPT北京 準優勝の青単信心レシピ
テーロスが生み出した青い兵器。その正体は青単ウィニー。
1マナの《雲ヒレの猛禽》《審判官の使い魔》は序盤からクロックを刻み続け、
2マナの《凍結燃焼の奇魔》《潮縛りの魔導士》はどちらも赤緑系に強く、
3マナの《夜帳の死霊》《海の神、タッサ》で息切れを防ぎながら、
4マナの《波使い》を爆発させてトークンの物量で押し切る、信心を活かしたぶん回しパターンがとにかく強力。
青の得意とする回避能力と青シンボルの多さによる高い信心が組み合わさり、圧倒的な爆発力を得た、おそらくトップメタの中で最速の勝ちパターンを持つデッキ。

大きく分けて勝ちパターンは3つあり、
①《波使い》が除去されなかった
トークンがドーン。相手は死ぬ
②《海の神、タッサ》が顕現してブロックできない5点で殴り続けた
《波使い》を引かないor丁寧に除去されて、お互い同じ数のクリーチャーを並べているときはだいたいこのパターン。タッサ以外のクリーチャーを除去して顕現を防ぐのも正直時間稼ぎでしかないので、アップキープに占術して土地を山札の下に送りつつクリーチャーを引くのを待っていれば良い。
③《タッサの二股槍》でアドバンテージを稼ぎ続けた
対コントロールは大体このパターン。相手がザコやろwwつって放っておいた1マナの弱小飛行クリーチャーがアタックしたドローで《波使い》か《海の神、タッサ》にアクセスするという動き。

要するにフィニッシャーが4枚2スロットで8枚入っていて、どれも3〜4マナ域から出てくるために速くて対応しづらく、通ればアドバンテージを生み出し続けるという、「ビートなのに安定してる」という構成と《海の神、タッサ》の高い性能に支えられたデッキ。
青と黒系に強い《夜帳の死霊》、赤と緑系に強い《潮縛りの魔導士》の表裏一体の関係も強さを支える柱。
そして青は元々クリーチャーよりもスペルが強いカラーなので、数は少ないものの対応力の高いクリティカルなスペルが入っているのも重要。
信心稼ぎ・ブロッカーの排除・味方の戦力増強を一度にこなす《家畜化》、
ありとあらゆるパーマネントに対応でき、超過でワンショットキルの《サイクロンの裂け目》、
《ヴィズコーパの血男爵》さえも叩き落として無力化する《急速混成》、
この三つが主力となり、搭載数は少ないもののクリティカルな盤面を叩きつける一手を作り出している。

・神々の軍勢で手に入れたもの
なし。軍勢は青いカードが全体的に弱いのもあったけど、既にデッキとして完成されていて、弄るにしてもメタ読みの結果の多少のスペルチェンジくらいで本当に隙がない。
しいて言えば《都市国家の神、エファラ》を軸にした青タッチ白信心が作られているがこれは派生デッキに記述する。

・ここが弱い
言うて生物を並べるビートなので除去を多く有するデッキには基本的に有利はつかない。
また信心のシナジーがメインなので個々のカードパワーは弱く、タッサか波使いを引かないと結局2/3か1/4が限度の貧弱生物ばかりなのでサイズ差で押し切られることも。
《波使い》が丁寧に除去された後は結局タッサ以外の生物が相手にちゃんと刺さるかどうかがキモになる。
相手の盤上に触れるカードが少ないため、出足で遅れるとズルズルと負けが見えることも多い。相手のデッキと相談だが、マリガンするかしないかがプレイングで一番気を使う。
あとは結局オレがオレがって攻め合いをするビートダウンなので、同速くらいの相手には殆どのマッチアップで先手後手の有利が大きく発生する。赤系のラクドスビートはともかく白ウィニー系には負けるときは負ける。
後手からテンポを取れるかどうかは1:2に近いカードの交換ができる《潮縛りの魔導士》と《家畜化》が機能するかどうかにかかっていることが多い。

・派生デッキ
青タッチ白信心。《拘留の宝球》でタッサにも触れて《群れネズミ》にも強く、《都市国家の神、エファラ》で破壊できない=黒系に強いクリーチャーかつドローエンジンとしての役割を同時に果たしている。青単同士のミラーマッチとトップメタの黒単に強くした構成。
白をタッチした代償にタップインランドが多く、青単色ほどの爆発力とスピードは総合的には見込めない。
それでも1ターン目タップインからの2マナ→3マナ→波使いのスピードと、同じクリーチャーを複数並べた相手に《拘留の宝球》で1:2交換でアドバンテージを稼ぐなど、青単よりも広い対応力は魅力。


■白青黒(エスパー)コントロール、白青コントロール
GPメルボルン三位、Patty Robertsonのエスパーコントロール
各種打ち消し&万能除去であるところの《拘留の宝球》《至高の評決》で時間を稼ぎ、《スフィンクスの啓示》の潤沢なハンドから《太陽の勇者、エルズペス》or《霊異種》という、どんな時も必ず存在するコントロールプレイヤー御用達の、環境随一のヘビーコントロール。
最序盤以外は隙がなく、ドローにも寄るが「対応力」という意味では他の追随を許さないであろうアーキタイプ。
特に《太陽の勇者、エルズペス》が強力で、不利な盤面はマイナス起動でのリセット、有利な盤面はプラス起動で押し切る手堅いカード。兵士トークンが出たまま奥義起動されればほぼ負け確定、いわゆる「一枚で勝てるカード」。
《霊異種》との違いは出したターン以外にマナがかからないので、着地した以降のターンは6マナ以上を打ち消しや追加のドローに回せること。ブリンク用の青1マナ残し=7マナで召喚される《霊異種》に対し、6マナからぶっ放せるのも強力。
各種対抗カードへの対応力も高く、《中略》《解消》と言った打ち消しはもちろんのこと、
《波使い》をインスタントで除去できて黒単の殆どのクリーチャーにサヨナラできる《今わの際》、
各種神様だけでなく《地下世界の人脈》《タッサの二股槍》《クルフィックスの狩猟者》など、これら全て”エンチャント”のタイプを持つ流行のカードをインスタントで一方的に除去できる《存在の破棄》、
困ったときの時間稼ぎにもドローにもなる《アゾリウスの魔除け》と言った、手札で腐りにくい「丸い」カードも強さの根幹を支えている。

エスパーコントロールとアゾリウスコントロールの違いはひとえにサイドボードに《ヴィズコーパの血男爵》を取るか取らないか、と言ったところ。
プロテクション白、黒によって黒単&同型戦での有利を取ったという所だろう。
っていうかレシピ見た感じ白青コントロールのページにもタッチ血男爵&《思考囲い》のレシピがあるし、この二つってぶっちゃけ大差ないじゃん感ある。純粋な青白コントロールでも《アゾリウスのギルド門》を取る枠に、占術する用に白黒ランドを取ってるし。この辺りは黒単が占術ランドを入れてるのに近い部分でもある。

・神々の軍勢で手に入れたもの
《存在の破棄》以外に大きいものはないと言っていい。まれに《オレスコスの王、ブリマーズ》をサイドボードに用意したレシピがあるけど殆ど気のせい。
《宿命的報復》が5〜6枚目の《至高の評決》として採用されていたりする。エスパーの場合は《無慈悲な追い立て》の可能性も。

・ここが弱い
マナベースを安定させる性質上タップインから頑張るしかないため最序盤に必ず隙ができる。今はあまりいないが赤系の超高速ビートダウン等に対しては不利になる事の方が多い。
あとは環境がわからない人でもたいていは「コントロール対策に打ち消されないカード入れるじょ〜」「ハンデスのカードを入れるじょ〜アハハ〜〜」となるので、多くのデッキタイプの考える仮想的になりがち、というのは見過ごせない点だと思う。
一戦一戦を必ず長く戦う特性上打ち回しはなるべく速めでないと引き分けが多く発生するし、打ち消しや除去などを今使うか?後にするべきか?と悩む瞬間もビートダウンよりは必ず多くなるので、総じて自分で使うのが難しい&相手にするのも大変なアーキタイプ。
黒単の《強迫》、グルールの《霧裂きのハイドラ》、青単のサイドから増える《タッサの二股槍》など、相手側も必ず有効牌を増やしてくるので、相手を如何に捌けるか、どれだけ深く受けられるか、先手後手や1度マリガン、1ターンの土地事故などによるカード1枚に満たないアドバンテージ差が勝敗を分ける事が多い。
勝つときは勝つ。負けるときは負ける。そんなことを考える試合が増えるだろう(禅問答)


2,デッキごとの相性差
上記に上げた4つのアーキタイプだけで言うならば、

コントロール型:黒単信心 エスパーコントロール
         ↕ しのぎを削る ↕
ビートダウン型:青単信心 グルールビート

という、アーキタイプVSな見方ができると思う。
ビートダウンに対する《至高の評決》であったり、
通れば勝ちの《波使い》であったり、
出す前に通れば何にだって対応できる《思考囲い》であったりと、
それぞれがそれぞれに対する有効なカードを持っているため、
殆どのマッチで「お互いに解答を引き当てた者が勝つ」のような状況になるのではないか、っていう、
すごい拮抗してて楽しい状況っていうか、正直よくわかんねえって思います。

個人的には、黒単>青単>グルール>黒単… の三すくみに、エスパーコントロールといつ当たるか…っていう感じかなと思わなくもないんだけど、
イニストラードの時の環境に比べると、《熟慮》も《禁忌の錬金術師》もないので追加のドローができず、占術ランドでの細かい占術を重ねて手札の質を高めるしかなく、
《スラーグ牙》のようなゲイン+トークンでひたすら時間を稼ぐポピュラーな手段もないので
1試合で使うカードの数がお互い少ない=相手に対して有効なカードを数多く引いてる方の勝ち、になる気がします。
正直上記に挙げたデッキならどれがグランプリで勝ち抜けても驚かないかなっていう感じ。


3,現在進行形のメタゲーム
人口で言えばグルールモンスターが増えてきてる。
青単は4積みのクリーチャーが多いため、《胆汁病》が刺さる事が結構多く、クリーチャーに割いてるスロットのうち《潮縛りの魔導士》、《雲ヒレの猛禽》あたりは軍勢で黒単が得た《悲哀まみれ》にも引っかかるので青単の使用率が軍勢発売当初は明らかにダウン。(みんな新しいカード使いたいのに新しいカード一枚も入らないデッキなのもあった)
《潮縛りの魔導士》が一番の鬼門だったグルールデッキが少しずつ増えて、最近になって《クルフィックスの狩猟者》と《ドムリ・ラーデ》のエンジンを搭載したグルールが大きな結果を残す。
それによって最新の黒単は《生命散らしのゾンビ》をメインに搭載して、緑系・白系の対策をすることで強度を増した。
青単はネズミに強い万能除去《拘留の宝球》、《都市国家の神、エファラ》を含む青白信心にすることで対応力と安定性を高めて来ている。

どのデッキもビートダウンなのにも関わらず追加のドローや擬似ドローによって安定性を高めている構成なのが特徴。
負ける可能性として増えたのは、追加色のタッチによってタップインランドを採用したため、最序盤からアクションが起こせず、エスパーコントロールが整うまでの時間を与えてしまい、安定度の核となる信心クリーチャーやシステムクリーチャーを除去されて息切れしたまま負けるマッチ。
そしてもう一つ、「自分よりも速く動くデッキ」に転ぶ可能性も少なからず出てきている、と思う。


4,メタゲームの外のデッキ達

──それは、可能性の獣

・エスパーミッドレンジ
PWC川崎午後からゲームデー入賞のエスパー人間アグロ
エスパー人間アグロという名前でアーキタイプ登録されているが、《ザスリッドの屍術師》まで取っているかどうかは人による。
実際の所は《万神殿の兵士》《管区の隊長》《威圧する君主》で時間とクロックを稼ぎ《オレスコスの王、ブリマーズ》と《都市国家の神、エファラ》、最終的に《幽霊議員オブゼダート》まで繋げていくグッドスタッフ(優秀なパーツを集めた)デッキになる。
白青なので万能除去の《拘留の宝球》が使えて、白黒なので《ヴィズコーパの血男爵》も採れる、とまさにいいとこ取りのオンパレード。
クリーチャーのほぼすべてがサイズ・機能ともに黒単・青単の平均値を遥かに上回っているため、順当に消耗戦に持ち込めさえすれば負けないという、ある意味真っ向から勝負しに来ているデッキ。
殆どのデッキでメインから4枚搭載された《リーヴの空騎士》だが、これの留置効果が《群れネズミ》にメチャ強く、信心目的の《夜帳の死霊》をビタ止めして、かつ上からクロックを刻めるというなぜ今まで燻ってたのか謎に感じるほど、盤面に刺さるステキカード。
デッキによっては《新プラーフのギルド魔道士》を採用し、お互いに手札が切れた後もマナを無駄にしないレシピもある。これ以外の個々のカードパワーが高いがゆえに取れる戦略か。
弱点は3色デッキなので序盤で出遅れると同速程度の相手には普通に負けることかな?それなりに手札事故も多そう。全方向を見過ぎた結果サイドプランで転ぶことも。

・白単ウィニー
晴れる屋ゲームデー - 神々の軍勢 TOP8、白単ビートダウン
今まで話してきたとおり1、2ターン目で占術するデッキはそれなりに多い。そこの隙を完全に衝きに来た白単ビートダウンも、お店の大会に出るとそれなりに見かけるタイプだ。
なんといっても3ターン目に出た《オレスコスの王、ブリマーズ》が弱いはずがないじゃろがい、という話。
自分よりも遅い相手にはクリーチャーで勝てるので意外と《群れの統率者アジャニ》が守りやすく、プラスもマイナスも腐らないのでネコネコにゃんにゃんされると強いしキツイ。
《ヘリオッドの槍》さえ順当に貼れれば大体押しきれる勝ちパターンを持つ。
《万戦の幻影》を採用しているものや《天上の鎧》を《迷宮の霊魂》につけて殴るタイプのものもこれに該当する。
弱点は並べた所に《悲哀まみれ》や《至高の評決》を守れずに食らうとどうしようもない事、出足が遅れると長期戦を見越したアドバンテージ元がないのですごく勝ちづらくなること。強いマリガン基準と実戦前までの練られた構築が大事。

・ラクドスビート
【BIGMAGICの記事、「村栄龍司「リュウジのバーン道場」第7回 神々の軍勢後のスタンダード:赤と緑か黒 」で下の方で使用しているラクドス
《ラクドスの哄笑者》《とげの道化》を強化して叩き込むビートダウン。いやだって2マナ3/1速攻が弱いはずがないじゃんっていう形。
《ラクドスの血魔女、イクサヴァ》や《嵐の息吹のドラゴン》を採用したミッドレンジに近いタイプが最近多い。イクサヴァは黒単系の有する除去のうち《胆汁病》《破滅の刃》《究極の価格》の三枚が無効になるため最近評価を上げてきている一枚。ドラゴンはプロテクション白によって、《幽霊議員オブゼダート》や《ヴィズコーパの血男爵》に負けなくなる重要なクリーチャー。
緑嫌いの赤使いって人は結構いるので、潜在的な使用者は結構多いんじゃないかと予想しているアーキタイプ。流行の黒単に対しては黒の除去が効かないものが多い事、授与クリーチャーを採用することで除去耐性をつけている事で結構有利が付くはず。先手さえ取って回れば勝てる相手は多そう。
弱点は出足が遅れると間に合わないデッキがそれなりにある事と、青単に対してテンポを取られると不利になる事。《潮縛りの魔導士》と《凍結燃焼の奇魔》が特に辛く、《とげの道化》を通すためにそこに除去を打ってるうちに波使いが止まらなくなってサヨナラとかがある。

・セレズニアビート
晴れる屋ゲームデー - 神々の軍勢 TOP4、白緑ビートダウン
みんな忘れてるけど《復活の声》とか超強いままだからね!?っていう感じ。《オレスコスの王、ブリマーズ》はもちろん強い上に、イニストラード期を支えた最強のオーラ《ひるまぬ勇気》も十分健在。
《イロアスの勇者》や《向こう見ずな技術》を採用したナヤ(白緑赤)オーラのタイプもここに分類していい。
《議事会の招集》、《ワームの到来》ととにかくサイズでは負けないので物量で押し切ればいくらでもチャンスはあるんやで!!という脳筋デッキ。DJ仏陀再誕が一番キライなタイプ。
基本的には《クルフィックスの狩猟者》が入っていない限りはアドバンテージエンジンがないので丁寧に除去すれば勝手に息切れしてなんとかなる。

・バーン
PWC - 第400回in川崎/GPT北京 ベスト4、白赤バーン
その名の通り相手よりも先にライフを0に焼き切れば勝ちじゃんという単純明快なコンセプトのデッキだが、
現状そこまでバーンカードだけで勝ちに行けるマッチなんてそこまでないので、《チャンドラのフェニックス》や《灰の盲信者》である程度クロックを刻み、残り8点くらいのライフを上から一気に削り去るみたいな動きが主流。
1、2ターン目に動き出しさえすれば一気に削れるので立ち上がりの遅いコントロール系にはバリ有利がつく。ビートダウン系のデッキに勝てるかどうかは《ボロスの反攻者》たちがどれくらい地上を抑えてくれるかがキモになる。
土地さえも枚数削ったデッキの中から相手に対する有効牌を数揃えて引ききってこないといけないため、一定以上のツモ運を要求される。
針の穴を通すようなしんどいプレイングも度々発生するので、見た目以上に扱うのは難しいデッキ。おれは疲れるのでやりたくない(暴論)


いわゆる「メタ外」のデッキはこのくらいだと思いますが、店舗大会とかだとそれなりに当たるのでメタ外と割り切るには十分でない気がします。
特にエスパーミッドレンジのようなグッドスタッフ系3色デッキは、どのデッキに対しても「刺されば強い」「出れば無敵」みたいなカードを有するので、ローグとして機能するシークレットテクを持った新デッキが台頭してくる可能性もゼロではない…かも。バントとかドランとかまだまだ怪しい。


ぜひこれを読んだ諸兄方にはスタンのデッキを持って僕を殺しに来て欲しいと思います。
ぽめ〜が言うほど緑弱くねんじゃ!!つってね。
都内近郊で会いましょう。


Let's enjoy the game together. DJ仏陀再誕




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プロフィール
HN:
DJ仏陀再誕
年齢:
36
性別:
非公開
誕生日:
1989/05/07
職業:
吟遊詩人
趣味:
麦茶作り
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